喰夢



夢の中でした。
この先はないような気がします。
帰り道は雨でした。
落ちるでもなく上るでもなく小さく笑って、ドアが閉まりました。
嬉しいような哀しい顔が、流れる景色に透けていました。
群れては欲しがる鯉の赤に、めまいを覚えました。
風が瞼を通り抜けるのを、じっと聴いていました。
花の香りより焼き付いたのは、あの人の匂いでした。
こんなにも近いのにこんなにも遠いのです。
このままとろとろと眠りにつきます。


MASOO IIMURA 23:17 6.16.1997



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