Cheap Sweet

ティーカップについた口紅を そっと拭き取る

白い肌に 幾重にも うすく伸ばされる紅

親指を経由して 紙ナプキンに吸いこまれる

完璧に隠蔽された君の微笑 剥がされていく

紅い液体を流し込む瞬間だけ 君は本当の君になる

髪をもっと紅く染めた 紅い唇が置かれる

まるで果たし合いをするかのように ぴんと緊張ではりつめる

紅が好きなのよ 足をぶらつかせながら 君は言う

きつく光る瞳に似合わない声 半開きの唇がてらてら光る

君の背中に ふたつ 氷を入れた


MASOO IIMURA 18:20 10.28.1997

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